不安を何とかしたいとき、お酒に手を伸ばす人がいます。
アルコールには脳を麻痺させる効果があります。
もともと脳には有害物質から身を守る仕組みが備わっていますが、アルコールは異物と見なされず、すり抜けてしまいます。
アルコールが脳に届くと、中枢神経の活動が抑制され、ふわふわした気分になります。
いい気分になって、そのとき不安が消えていくのです。
緊張やストレスを和らげたいとき、お酒に有効な効果があるのも事実です。
しかし、ここに注意があります。
不安が解決して消えたわけではなく、紛らわせているだけです。
一時的に脳を麻痺させることで、頭がぼうっとして、不安が消えたように錯覚します。
お酒で不安を和らげるのは賢明な手段ではありません。
酔いが覚めると、再び不安が襲ってくるのです。
お酒を飲めば不安が消えると思って、いつもお酒に頼っていると大変です。
いつも不安をお酒で解消すると「不安をお酒で紛らわせる」という習慣がつきます。
だんだんお酒の量も増えていき、お酒がやめられなくなります。
お酒を飲み過ぎると、醜態をさらしたり失態を犯したりします。
二日酔いで日常生活に支障を来したりするでしょう。
長期にわたると、頭痛を招いたり肝臓を痛めたりなど、健康上のトラブルも発生する可能性も高くなります。
もちろん時間もお金の浪費にもつながります。
トラブルが発生するとますます不安が大きくなり、ますますお酒に頼らなければいけなくなる悪循環に陥ります。
味わうためではなく酔うために飲むようになれば、イエローカードです。
それはもはや、お酒に支配されつつある状態です。
アルコール依存症になるのは、時間の問題です。
お酒を飲むくらいなら、運動です。
不安を紛らわせるなら、ウォーキングやランニングのほうがはるかに健康的です。
走りながら不安にくよくよする人はいません。
体を動かしている間は余計なことを考えずに済むので、上手に不安を忘れることができます。
運動すると、気持ちのいい汗をかいて、すっきりした気分を楽しめるでしょう。
運動によって、ストレスの解消だけでなく、運動不足の解消も期待できるので一石二鳥です。
不安を解消させるなら、きちんと建設的な行動をするに尽きます。