あなたの行動が遅い理由は何か。
それは、メリットを最大化させる習慣のせいかもしれません。
行動したくても、少しでもメリットを得ようと、あえて待つことがあります。
必要な商品があっても、もうすぐ新モデルが出るとわかっていれば、しばらく待ちます。
転職をしたくても、もう少し経てばボーナスがもらえるので、我慢しながら仕事を続けます。
もちろん新モデルやボーナスには、経済的メリットがあるでしょう。
手の届く範囲に魅力的なことがあれば、何とかそれを得たいと思うのが人間です。
特別な努力をしなくても大きなメリットが得られるなら、こんなおいしい話はありません。
待つだけでメリットが大きくなるなら、喜んで待とうとすることも多いでしょう。
しかし、ここに落とし穴があります。
メリットを最大化させようとするのは、簡単そうで難しい。
こうしたメリットは、絶妙なタイミングで現れたり消えたりします。
「もうすぐ新モデルが出る」と思って待っていても、新モデルが出た直後から、次の新モデルの情報が流れ始めます。
新モデルが気になって「どうせ買うなら少しでもいいものが欲しい」と思って、再び待つことになります。
ずるずる購入が先延ばしになって、いつまで経っても購入できなくなります。
「もう少し経てばボーナスがもらえる」と待って、転職活動を保留することがあります。
ボーナスが支給されると、再び次のボーナスが気になり始めます。
「次のボーナスまで。さらに次のボーナスまで」と保留を繰り返していくうちに、ずるずる転職計画が遅れていきます。
世の中は、多くの誘惑でいっぱいです。
さまざまな誘惑が、姿や形を変え、あなたを魅了していきます。
魅力的なメリットは、いいタイミングで現れては消えて、絶妙なタイミングで再登場します。
メリットを最大化させようとすると、ベストタイミングがわからなくなります。
なかなか行動に踏み切れず、行動が遅くなるのです。
ではどうするか。
メリットがベストの状態で行動するのではありません。
メリットがベターの状態で行動するのです。
本当に必要なことなら、小さな損は承知のうえで行動したほうがいいでしょう。
時にはメリットを無視することも大切です。
早い行動は、成功の大切なポイントです。
お金は、失っても後で稼げますが、時間は、一度失ったらそれで終わりです。
1日は24時間であり不変です。
過去に戻ることは1秒もできません。
時間を短縮したり時間の質を上げたりすることはできても、時間そのものを増やすことは不可能です。
お金を得るメリットより、時間を失うデメリットのほうが怖いのです。
小さな損得を気にせず行動することで、行動も早くなります。
メリットを得ることが正解とは限りません。
メリットを得るより、行動のスピードを重視するほうが、大切なこともあるのです。