苦労と災難が多くて、不幸の多い人生なら、悲劇を演じたくなるでしょう。
「私はこんなに不幸。こんなに惨め。こんなにかわいそう」
悲劇のヒーローを演じていれば、多くの人に同情してもらえます。
あなたを心配する人たちが、優しい声をかけてくれるかもしれません。
多くの人から同情されることに、快感を覚えるかもしれません。
いつか誰かが助けてくれることを期待して、悲劇のヒーローを演じていることもあるでしょう。
しかし、悲劇のヒーローを演じたところで不毛です。
どんなに自分を「かわいそう、かわいそう」と思ったところで何の役にも立ちません。
「かわいそうだね」と思われて終わりです。
かまってもらおうとする行動は、往々にして滑稽です。
やればやるほど、痛々しい様子が漂って逆効果。
自分に関心を向けてもらうための演技は、遅かれ早かれ見抜かれるでしょう。
「また始まった。もうその作戦には引っかからないよ」と思われます。
演じることには、現実化させる効果もあります。
成功者のふりをしていると成功に近づくように、悲劇のヒーローを演じていると悲劇に近づいてしまいます。
気づけば、本物の悲劇のヒーローになっているに違いありません。
悲劇のヒーローを演じたところで、ますます惨めになるだけなのです。
悲劇のヒーローを演じるのではありません。
演じるなら、喜劇のヒーローです。
どんな悲劇も、表現の方法を工夫すると、喜劇に変えることができます。
ミスをしても、笑いに変えればいい。
恵まれない環境でも、笑顔で生きることは可能です。
不幸や災難があっても、落ち込むのではなく、笑い飛ばしましょう。
笑い飛ばしてしまえば、どんなことでも、ぱっと明るい雰囲気に変わります。
大変なことがあっても、弱音を吐かず、けなげに頑張りましょう。
頭が悪いなら「ばかなのでいつも元気です」と開き直って振る舞えばいい。
貧乏な家なら、正直に「貧乏な家だよ」と笑ってしまえば、明るくなります。
失敗をしたら、笑いのネタに変えてしまえばいいのです。
喜劇のヒーローを演じると、多くの人の心を動かせます。
つらい状況にもめげないで、ひたむきに生きる姿こそ、本当に立派です。
演じるのなら、悲劇のヒーローではなく、喜劇のヒーローです。
悲劇のヒーローを演じると、惨めになります。
喜劇のヒーローを演じると、立派になるのです。