私たちは、大きな夢を持って成長していきます。
往々にして子どものころの夢は、少し大げさな内容です。
「将来は、プロ野球選手になってメジャーリーガーになる」
「将来は、大企業に就職して、一流エリートになる」
「将来は、大物の役者になって、世界的な大スターになる」
「歌を仕事にして、ミリオンヒットを出す」
「作家を目指して、将来は文学賞を取って、ベストセラーを出す」
大きな夢を持ち、それに向かって一生懸命になる時期があるでしょう。
もちろんどんな夢を持ってもOKです。
あくまで夢ですから、自分の好きな内容でいいでしょう。
夢の形はそれぞれですが、何らかの憧れを持ち、それに向かって進むことは大切です。
夢があると生きがいになり、人生が引き締まります。
ところがです。
いざ頑張ってみると、やればやるほど自分が凡人であることに気づかされることがあります。
いくら努力しても思うようにいかない。
努力をしても、空回りが多く、思うように成長しない。
上には上がいるものです。
自分がすごいと思っていても、世の中にはもっとすごい人がいて、衝撃を受けるでしょう。
「やればできる」「頑張れば必ず報われる」というのもきれい事です。
頑張ったからといって、必ず報われるとも限りません。
残念ながら世の中には、どんなに頑張ってもできないことがあります。
頑張ってできるようになったことでも、才能のある人がすぐ抜いていきます。
せっかく大きな夢を持っていても打ち砕かれます。
そして気づくのです。
「自分に才能はなかった。特別でもなかった。単なる凡人だった」と。
しかし、自分が凡人だと気づいてがっかりする必要はありません。
「自分は凡人だった」と気づいてからが本当のスタートだからです。
凡人だからといって、そこで夢が終わるわけではありません。
人生が終わるわけでもありません。
ここでしっかり考えるのです。
「本当の自分らしさとは何だろうか」
「自分の本当の道とは何だろうか」
「本当に自分に合った仕事は何だろうか」
自問自答を繰り返すことで見えてくる、自分らしい道があります。
今までは流行に流されていただけでした。
見栄・憧れ・世間体で選んでいた道でした。
自分の個性を無視した、場違いな夢でした。
自分が凡人だと気づいたとき、あらためて自分を見つめ直せます。
自分らしさを無視した場違いな夢を追いかけていたことに気づき、反省することで、今度こそ本当の自分と向き合えます。
見栄もプライドも私利私欲も、無視することです。
見栄・プライド・私利私欲を無視したとき、本気で「自分らしい生き方」を考えるようになります。
自分を深く掘り下げるから、自分に合った道を考えることができるようになります。
自分が凡人だと思うのは、自分に合っていないことをしていたのが原因です。
自分が凡人だと気づいたとしても「その分野では凡人だった」というだけのこと。
いま一度、自分の個性や特徴を見つめ直し、自分に合った道を選ぶことです。
どんな人にも、必ず自分が輝く場があります。
一番になる必要はありません。
一番になれなくても、得意な分野ならあるはずです。
天才になる必要もありません。
自分が輝ける場を見つけるだけでいいのです。
成功とは何か。
成功とは、自分らしく生き、自分らしさを発揮できていることをいうのです。
自分に合った場所なら、小さな努力でスムーズに進みます。
困難も楽しみながら取り組めるでしょう。
どうか、自分が凡人だと気づいても絶望しないでください。
「その分野では凡人だった」というだけのことです。
きちんと自分に合った場所を選べば、今後こそ輝けます。
「自分は凡人だった」と気づいてからが、本当のスタートなのです。