世間のひどいニュースを見て、こんなことを言う人がいます。
「昔はよかったなあ」と。
たしかにニュースの中には、ひどい内容のものがあります。
人殺し、交通事故、政治家による汚職などです。
世の中が、荒れ狂っているように思えるのです。
そうしたひどい話題が、年々増えているように感じると「昔はよかったなあ」と、つい口ずさんでしまいます。
しかし、昔に比べて悪くなっていると思うのは、勘違いです。
一部の悲惨なニュースだけ見ているから、世間全体が悪化しているように思えるだけです。
もっと視野を広げて、長い時系列で見れば、確実に昔より今のほうがよくなっています。
昔は、勉強すら、できませんでした。
自由な引っ越しも、自由な職業選択も、できませんでした。
病気になっても、治療法が確立されていないため、死亡率も高かったのです。
そういう時代に比べて、今は、なんと恵まれているのでしょうか。
昔に比べて今は、法律も環境も科学技術も、進歩しました。
自由に勉強できたり、引っ越しできたり、仕事を選んだりできます。
24時間営業の店が増え、いつでも何でも手に入るようになりました。
格安航空会社の登場によって、海外旅行も手軽にできるようになりました。
医学の進歩によって、多くの病が治せるようになりました。
昔より今のほうが、確実に豊かです。
地位や身分にかかわらず、ほとんどのことができる時代です。
歴史書のどこページを見ても、これほど恵まれた時代はありません。
私たちは今、人類史上、最も恵まれた時代に生きています。
「昔はよかったなあ」とよく耳にしますが、逆です。
今ほど、いい時代はないのです。