私は何か嬉しいことがあったとき、つい握手をしてしまう癖があります。
これは私がアメリカ留学の最中に、アメリカ人の真似をして身についた癖です。
アメリカ人は、出会ったときや別れ際には必ず握手をします。
「あなたに敵意はない。仲良くなりたい」という意味が込められています。
握手というスキンシップで、気持ちを表現しているのです。
アメリカ人は、にこにこしながら握手をしています。
それを間近で見ていて「かっこいいな。真似しよう」と思いました。
それが最初のきっかけです。
今では、普通の友人にもよく握手をしています。
「初めまして」と表現するときもあれば「ありがとう」を表現するときもあります。
握手によって、言葉ではなく、体で気持ちを伝えることができるのです。
日本人は、ほとんどの場合握手は苦手です。
「恥ずかしい」と思っている人が多いのです。
私も最初は恥ずかしかったのですが、すぐ慣れました。
握手はかっこいいことです。
合コンでみんなが楽しんでいるときに「初めまして」と握手すると目立ちます。
かっこよく目立つのです。
握手する人、される人、握手しているのを見ている人、みんな気持ちよくなれます。
気持ちを言葉で表現するだけでなく、体を使って表現すれば、ダイレクトに伝わります。
私がホームステイをしていた、クリスマスのころです。
ホストの家族全員で、カリフォルニアのリバーサイドに住んでいる、ホストの親戚のところへ遊びに行きました。
2日間の滞在で、クリスマスをみんなで過ごしました。
帰る別れ際に、親戚のおじさんが私を抱擁してくれたことが、嬉しかったのを覚えています。
生まれて初めての抱擁の経験です。
「抱擁は、こんなに嬉しい気持ちになれるのか」
しんみり感じました。
ホームステイを出るときも、家族の人が抱擁してくれました。
「Give me a hug.(抱擁してちょうだい)」と言って、別れを惜しむ気持ちが伝わってきました。
気持ちを「言葉」で伝えることも大切です。
それだけでなく、気持ちを「体」でも伝えると、もっと効果的に伝えることができます。
アメリカ人が人付き合いにたけているのは、このスキンシップの文化のおかげです。