執筆者:水口貴博

人生を変える「海外旅行」のすすめ

19

未知の経験が、素晴らしい教養。教えられたわけでもなく「なるほど」とわかることがある。

未知の経験が、素晴らしい教養。教えられたわけでもなく「なるほど」とわかることがある。 | 人生を変える「海外旅行」のすすめ

海外旅行をすれば、国内では経験できないような数々の体験ができます。

風習や文化など、母国とは大きく異なります。

「へえ、こういう文化があるのか」

「こういう街並みが世の中にはあるのか」

「母国にはない変わったマナーだ」

おそらくそのときの姿勢は、母国と比較になっていることでしょう。

私が最も印象に残っているのは、アメリカに旅行した際の「チップの習慣」でした。

アメリカではレストランで食事し終えてテーブルを離れる際、テーブルの上に15パーセント前後のチップを置く習慣があります。

チップは食事を提供してくれたウエイターやウエイトレスへの感謝の気持ちです。

一方、日本ではチップという習慣はありません。

食事の会計の中に、チップも含まれているという考え方です。

結局どちらも、支給してくれた人への感謝の気持ちです。

それをどこで表現するかの違いだけです。

「テーブルの上か、レジなのか」です。

初めて日本を離れ、海外で「チップ」という慣れない習慣を体験したとき、正直、最初はとても面倒と思いました。

しかし、しばらく滞在を続けているうちに意識が変わってきました。

チップのある習慣の国のほうが、行き届いたサービスを提供している場合が多いと感じます。

自発的にサービスを提供しようとする姿勢や心がけが、まっすぐ伝わってきます。

なぜでしょうか。

このサービス精神は、チップがある習慣があるからこそ湧き出てきます。

お客さんとしては、素晴らしいサービスを提供してもらえれば、チップとして感謝を表現できます。

金額であり、数字として評価できる。

サービスを提供する側も、より多くのチップを得たいがために、仕事を工夫したりやる気を出したりします。

その結果、気持ちが引き締まったり自発的にサービスを工夫したりするようになります。

チップの習慣によって、自然と人が育つシステムであることに気づきました。

そういうメリットがあると「チップという習慣もいいな」と思いました。

レジで淡々とお金を払うのも気楽でいいですが、テーブルの上で感謝を表現する文化も悪くはない。

そう思えるようになることが大切です。

この比較は、母国にはない経験を海外でして、初めて得られる感覚です。

海外の経験で何が貴重なのかというと、そういう母国にはないサービスを受ける場合があることです。

今まで常識だと思っていたものとは違う、別の習慣や文化に出会うと、ぱっと視野が広がる感覚があります。

未知の経験が、素晴らしい教養です。

教えられたわけでもなく「なるほど」とわかるのです。

人生を変える「海外旅行」のすすめ(19)
  • 母国にはないサービスを受けて、開眼する。
余裕がないときこそ、海外旅行をする意味は大きい。

人生を変える「海外旅行」のすすめ

  1. さあ、世界に目を向けよう。
    海外旅行をすると、見識が一気に広がる。
  2. 昔に比べ、現代ほど海外旅行がしやすい時代はない。
  3. 学生時代こそ、海外旅行をするベストタイミング。
  4. 難しく考えない。
    「行きたい」と思ったときに行くのが一番。
  5. 海外旅行の第一関門は、親の説得。
  6. 学生なら、遊びも勉強として受け止めてもらいやすい。
  7. 海外旅行で敷居が低くなる方法。
  8. 外国人に見慣れること。
    これが見識を広める第一歩。
  9. 本場は、おいしくない?
  10. 自分が感じる「おいしい」という基準は、必ずしも世界共通とは限らない。
  11. 期待をしつつも、期待しすぎないほうがいい。
  12. 「余裕ができてから」と思えるのは、すでに余裕がある証拠。
  13. 海外の体験は、海外でしかできない。
  14. 批判は抜きにして「そういうものだ」と受け入れる。
  15. 本当に素晴らしい観光地は、1回ではとても見切れない。
  16. 観光地は「誰と行くか」でまったく変わる。
  17. 時間もお金もなくていい。
    先に航空券を購入する。
    すると、時間とお金は作られていく。
  18. 海外旅行へ行くと、母国を客観視でき、素晴らしさを再認識できるようになる。
  19. 未知の経験が、素晴らしい教養。
    教えられたわけでもなく「なるほど」とわかることがある。
  20. 余裕がないときこそ、海外旅行をする意味は大きい。
  21. パスポートの出入国のスタンプは、勇気の証明。
  22. 現地の人と「挨拶」だけでなく「会話」もする。
  23. 自分の限界を超えるのは、難しいようで簡単。
  24. 若いころに受けた刺激は、その人の土台を作り上げる。
  25. なぜ海外に行くと、恋に落ちやすくなるのか。
  26. すべてを知ったつもりになっているのは、新しい情報が入ってこないから。
  27. 夢中になって写真を撮るより、自分の目で見て、感動すること。
  28. 本当に感動させられるのは「鮮明な写真」より「色あせた記憶」である。
  29. 海外旅行によって「世界の人はすべて、同じ人間」という認識を深めることができる。
  30. 興味があるから行くのではなく、行くから興味が出てくる。

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