執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

21

国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。

国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

国語での読解力は、想像する力にも比例します。

文章を読んだとき、情景を鮮明に想像できる人のほうが、文章題に対して有利に働くのはいうまでもありません。

では、その想像する力とは、いつ、どう育まれるのか。

それは、過去の自分の体験をもとに育まれます。

同じ経験がある、似た経験があれば、書いてあることを、感情を伴いながら、より具体的に理解できるようになります。

たとえば、国語の文章問題で「野球に負けて悔し涙をぼろぼろ流す」という内容があったとします。

やはり実際に野球をして、試合に負けて涙を流した経験があるなら、その悔しい気持ちはより具体的に想像できるはずです。

また、文章に書いている内容が野球だからと言って、まったく同じスポーツである必要はありません。

たとえ、サッカーをしていたとしても、試合で負けて大粒の悔し涙を流した経験があるなら、気持ちが通じる部分があるはずです。

書いてある気持ちを、より鮮やかにはっきり理解することができるでしょう。

しかし、出無精でスポーツをまったくしたことがない人の場合はどうでしょうか。

体験がないなら、負けたときの悔しさを理解するというのは難しいでしょう。

それなりのイメージはできるかもしれませんが、実体験のある人に比べれば、はるかに劣るはずです。

そういうところで、国語の読解力というのは、差が出てきます。

国語といえば、頭を使うイメージがあります。

しかし、違います。

根底を突き詰めれば、土台は「過去の体験」であり、幼少期に「体を動かす」という習慣が鍵を握ります。

この体を動かす経験を、できるだけ若いうちにたくさんしておくほうがいい。

勉強も大切ですが、それ以外はもっと大切です。

友人を作り、一緒に遊んだり、旅行をしたり、スポーツをしたりです。

時には、友人と喧嘩したり、スポーツで惨敗して大泣きしたりするのもいい体験です。

その正否を問わない数多くの体験が、後に具体的なイメージ力へとつながり、国語の読解力が高められるのです。

子どもの「外遊び」のすすめ(21)
  • 実体験をたくさん増やす。
体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

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