同じ参考書をずっと使い続けていると、誰しも必ずあることを感じ始めるようになります。
「この参考書だけでは物足りない。ほかの参考書が気になる」という浮気心です。
受験への焦りのためか、今使っている参考書だけでは足りないのではないかと不安に駆られます。
たしかに入門書のような位置づけなら、さらにレベルの高い参考書が必要です。
入門書を踏み台にして、レベルの高い次なる参考書に手をつけるのは正しいステップアップです。
しかし、受験に必要な項目をすべて網羅する参考書であるにもかかわらず「物足りない」と感じるのは、単なる「錯覚」です。
焦っているため「足りない」と感じるだけ。
同じ参考書ばかり使い続けていると飽きてくるだけです。
しかも新しいものが好きな人間は、なぜか新しい参考書のほうがよさそうに感じてしまい、浮気心が出てきます。
「ほかの本には別のことが書かれているかもしれない」
「復習も兼ねて、別の参考書を使ってみようかな」
「同じことの繰り返しで飽きた。別の参考書も見てみたい」
次のような2種類の人にわかれてしまいます。
参考書を変更するか否かが、合否のわかれ目です。
受験に通用する十分なレベルの参考書なら、実はどれを選んでも大差ありません。
参考書によって、表現やわかりやすさに多少の違いはありますが、内容そのものには違いはありません。
大切なことは「問題を解ける知識と理解をインプットすること」です。
本を変えてしまえば、文章の流れ方・表現・レイアウト・図の配置などが変わってしまうため、一から勉強のやり直しになります。
復習の効果が薄れてしまいます。
いろいろな参考書に手を出すと、勉強する範囲が広がるだけでなく、どれも中途半端な仕上がりになります。
復習の効果が出るのは、同じ本を使ったときです。
繰り返すことで慣れが出て、身につきやすくなります。
脳科学的にも、実証されています。
「これだ」という1冊を決めたら、浮気をせずに最後まで使い続けることです。
同じ本を何度も繰り返すときに、最大限の復習効果が発揮されます。