私は高校時代、数学のテストの時間に、不思議な体験を何度かしました。
たしか微分積分の難問題でした。
一目見て「ああダメだ。できない」と考えて諦めていました。
まったく手のつけようがないほど難問です。
「仕方ない。できる問題から解いていこう」
とりあえず、わかる問題から解くことにしました。
全部が全部、難問というわけではないので、できるところから進めていきました。
テスト全体を進め終わり、残りはあのわからなかった問題だけになりました。
時間に余裕があったので、仕方なく「できない」と思う問題を見直すことにしました。
たっぷり時間をかけて「どうすればできるか」と何度も考えていました。
できないと思いつつも、あらゆる可能性を考えてみました。
すると、天の啓示が降りてきたかのように、ふと解き方が思い浮かんだことがありました。
初めは「無理だ」と思い込んでいただけに、ぱっと解法が思い浮かんで、その後はすらすら解けてしまいました。
そのとき解けなかった本当の原因がわかりました。
初めから諦めていたことでした。
一目見て「できない」とすぐ諦めていたので、深く考えて試行錯誤する努力を最初から放棄していました。
その時点で試行錯誤をやめてしまっていたので、当然できませんでした。
大切なことは、初めから諦めないことです。
「どうすればできるか」とは試行錯誤です。
大変な仕事を聞くと「できないかも」と思っておじけづいてしまいます。
そういう癖はありませんか。
いきなり「できないかも」と考えるのは、考える努力を放棄しています。
考えることがなければ、希望の光も見えてくるはずがありません。
「できないかも」と思ったときには、すぐ諦めるのではなく「どうすればできるか」と考える習慣を持ちましょう。
まず、試行錯誤です。
初めから可能性を小さくするのではなく、可能性を大きくするために考えます。
「どうすればできるか」
「何か方法があるはずだ」
「突破口はどこだ」
無理だと思っても、時間をかけて集中し何度も試行錯誤していると、突破口は見えてきます。
「ダメだ」「できない」という諦めは、試行錯誤をするだけして初めて考えることなのです。