ある日のことです。
部下の1人が「○○したほうがいいと思うんですけど」という提案をしてきました。
提案は嬉しいです。
しかし、その提案の経緯や理由がわからなかったので「なぜ」と尋ねました。
「いえ、なんとなく、そのほうがいいと思っただけです」
なんと彼の意見は「なんとなく」という、特に大きな理由がないものでした。
もちろんその気持ちもわかります。
おそらくその人は直感型人間であり、頭の中ではイメージができているが、うまく言葉で表現できないのでしょう。
しかし、つたない表現でもいいですから「理由」を言葉にすることです。
「なんとなく」と言われても、私も困ります。
提案は、ほかの人に説明したり、上司に報告したりして検討する必要があります。
そのためには「理由」がどうしても必要です。
社会では、個人的な意見だけで話が通ることは珍しく、ほとんどの場合、きちんとした理由があってこそ話が進みます。
あやふやな理由だけでは、通る話も通らなくなります。
社会に出てからは「なんとなく」は禁句です。
どんなときにも発言する意見には「理由」をつけることが大切です。
学生時代までは「意見」だけで済まされましたが、社会人からは「意見+理由」が必要です。
それほど難しくはありません。
今まであなたが思っていた意見に、きちんとした理由を添えて発言するだけでいい。
「こうすれば○○できるので、こうしたほうがいいと思います」
「○○だから、こう思います」
「○○だと思います。なぜなら~」
意見は、どんどん言ってもいい。
理由が好ましいかどうかの判断は、上司がします。
おかしな意見でも、変わった視点からの考えは、問題の意外な突破口になる場合があります。
どんな意見にも「理由」を添えて発言しましょう。