冠婚葬祭では「忌み言葉」と呼ばれる言葉があります。
不幸を連想させる、縁起の悪い言葉ということです。
「苦しむ」「つらい」という言葉は、聞いてのとおり気持ちのよい言葉ではありませんから使わないのは言うまでもありません。
悲しんでいる人に使わないようにします。
本当に難しいのは、私たちが普段から使っている当たり前の言葉にも、忌み言葉があるということです。
たとえば「切れる」という言葉です。
普段から私たちはよく使いますが、忌み言葉なのです。
なぜ不幸を連想させてしまうのかというと「切れる」は「縁が切れる」という不幸や離別を表現してしまうからです。
「散る」という言葉も忌み言葉です。
「散る」という言葉で「家族が散る」ということを連想させてしまうからです。
つまり「大切な人が亡くなる」「離婚してしまう」ということです。
「帰る」という当たり前に使っている言葉も、立派な忌み言葉です。
「せっかく結婚をして嫁いだ娘が実家に帰ってくる」、つまり「離婚する」という意味を表現してしまうからです。
「迷う」という言葉もあります。
「結婚をして人生に迷う」というよくない印象があります。
なんと難しいのでしょうか。
あらかじめ勉強していないと、つい使ってしまう言葉がたくさんありますね。
忌み言葉は、あらかじめ知っておくほうが無難です。
うっかり口にしてしまい、相手を不快にさせてからでは遅いのです。