お見舞いのときに患者にかける言葉は、結婚式のスピーチと同じです。
縁起の悪い言葉、忌み言葉、不幸を連想させる言葉を使ってはいけないというところでは、共通しています。
私も入院した経験があります。
入院をして元気がないときには、普段使っているちょっとした縁起の悪い言葉も、いつも以上に暗く聞こえます。
お見舞いに行ったときの言葉遣いには、要注意です。
「やつれたね」
「顔色が悪いね」
「元気がないよ」
たとえ、その言葉が本当であったとしても、口にしてはいけません。
患者が落ち込むような言葉を避けて、元気になるような言葉をかけるようにしましょう。
患者を元気づけられなければ、お見舞いは行かないほうがいいです。
せっかくお見舞いに行って、患者を落ち込ませてしまうというのは本末転倒です。
「早く元気になってね」
「以前より顔色よくなったね」
「元気そうで良かった」
このときばかりは、嘘をついてもいいのです。
患者が元気になるような言葉をかけて、本当に元気になってもらいます。
「病は気から」と言います。
病を治すためにまず大切なことは「本人の気持ち」です。
少しでも元気に前向きに明るくなるような言葉をかけて気力を回復させることに、お見舞いの本当の意味があるのです。