友人の家に遊びに行った帰り道、その友人から電話がかかってきました。
「○○さん、忘れ物をしているよ」
どうやら友人宅に忘れ物をしてしまったようです。
大切なのものなので取りに行かなければなりません。
「ごめんね。うっかりしてた。取りに行くね」
このとき、次のような言い方をする人がいます。
「○○時間以内に取りに行きます」
普通の一言に聞こえるかもしれませんが、イエローカードです。
友人にとっては不親切な表現だからです。
たとえば「3時間以内に取りに行きます」と言うとします。
友人は3時間ずっと自宅にいなければいけなくなります。
3時間以内ということは、1時間後かもしれないし、2時間後かもしれない。
ぴったり3時間後という可能性もあるでしょう。
友人は今すぐ外出の予定があるかもしれません。
今すぐ買い物に行きたいかもしれません。
すぐお風呂に入りたいかもしれません。
何かと行動が制限されて困るのです。
できるだけ早めに行きたい気持ちがあると「○○時間以内に」という表現を使いがちです。
悪気はないのはわかりますが、もう少し相手の立場になって考える余裕が欲しい。
何気なく口にした一言が、相手の迷惑になっていることがあるため、できるだけ避けておきたい言い方です。
こういうときは、どんな表現を使えばいいのでしょうか。
「○○時に取りに行きます」という表現がベストです。
はっきり時間を指定したほうがいいのです。
相手はその時間だけ自宅にいればいいので、予定を立てやすくなります。
たとえば「18時に取りに行きます」であれば、18時ごろ自宅にいればいいので、自由が確保されて行動しやすくなります。
18時に都合が悪ければ、お互いの都合の良い時間を話し合えばいいことです。
この心がけは、プライベートだけでなく、ビジネスでも同様です。
ちょっとした表現の違いですが、相手にとっては印象がまったく変わります。
訪問時間を伝える際は「○○時間以内に」ではなく「○○時に」という表現を心がけましょう。
ピンポイントで時間を指定したほうが、相手にとって親切なのです。