落ち着きを取り戻したいとき「読経」はいかがでしょうか。
声に出してお経を読むことには、心を落ち着かせる作用があります。
お経は葬儀や法事のときに読まれることが多いですが、普段の日常でも大いに活用できます。
お経とは、ブッダの説いた教えを記した書物です。
お経を読むことで、ブッダの教えが自分の中に取り込まれていき、人生の真理や正しい生き方に気づかせてくれます。
お経は意味不明の呪文のように聞こえるかもしれませんが、それぞれに深い意味があります。
たとえば「色即是空」「空即是色」という一節があります。
「この世のすべてのものには実体がない」「実体のないからこそ、さまざまな形として表れる」ということです。
目の前にある現象は1つの「色」に過ぎないから、いちいち悩むことはないということです。
意味のわからない言葉は、できるだけ調べて、理解しておくといいでしょう。
意味を噛み締めながら読み上げると、仏教の神髄に触れることができます。
「悩んでいることは大したことない。焦る必要なんてないね」と気づかされるでしょう。
重大に思えるトラブルも、天から見れば小さなことです。
悩んだり焦ったりしていることがばかばかしくなるに違いありません。
きちんと声に出して読むことでお経の素晴らしさを認識でき、心を穏やかにする効果も得られます。
お経には美しい節と独特のリズムがあります。
節に合わせてリズムよく読んでいると、すうっと肩の力が抜けていき、心に穏やかな気持ちが広がっていくでしょう。
読み上げる自分の声が、一種のヒーリングミュージックのように聞こえてくるでしょう。
自分の発生した声を自分で聞くことになるため、心の鎮静効果が高まります。
机の引き出しに経本を入れておけば、さっと取り出せ、いつでもお経を唱えられます。
場所によっては声を出して読むのが難しいこともあるでしょう。
職場や教室など周りに人がいる環境では、声を出して読むわけにはいきません。
そんなときは黙読です。
声に出して読めないなら、心の中で読めばいい。
黙読であっても、実際に声を出しているかのように、抑揚をつけてリズムよく読んでいきましょう。
丁寧に黙読すれば、どんどん心が澄み切っていき、落ち着きを取り戻していけます。