怒り、焦り、いら立ち。
不快なことがあれば、神経が高ぶって感情的になります。
心拍数が上がって、鼻息も荒くなり、落ち着こうにもなかなか落ち着けないでしょう。
不快をそのまま受け止めるのから不快になります。
当たり前のことですが、落ち着きを取り戻すにはここに工夫の余地があります。
不快に感じたとき、別の視点から感情を見つめ直してみてください。
ヒントは「理科的な考え方」です。
不快を感じたときは、次のように考えましょう。
「脳内物質の化学反応にすぎない」と。
怒りも焦りもいら立ちも、ノルアドレナリンをはじめとする、さまざまな脳内物質の化学反応です。
脳の中には1000億以上の神経細胞があって、神経細胞はシナプスで結ばれ、巨大なネットワークを構成しています。
電気信号がシナプスの先端にぶつかると、その衝撃でシナプス小胞から神経伝達物質が放出されます。
それを受容体が受け止めて再び電気信号に変え、バトンリレーのように、また次のシナプスに伝えていく仕組みです。
こうした化学反応の結果「感情」が生まれる仕組みとなっています。
見方を変えれば「感情=脳内物質の化学反応」です。
頭の中で化学反応が発生して、結果として「感情」を感じます。
それだけのことです。
実にシンプルな話です。
神経が高ぶって感情的になることがあれば、理科的な考え方を思い出してください。
「脳の中で化学反応が起こっている」と思えばいい。
大きく感情が高ぶっているときは「おやおや、今回の化学反応は特に激しいね。大きな花火のようだ」と笑い飛ばせばいい。
理科的な考え方になってみると、客観的に感情を見つめることができます。
神経が高ぶることがあっても、すぐ落ち着きを取り戻せるのです。