ビジネスの場で、個性的な服装の人を見かけることがあります。
自分の個性を見せようとしているのでしょう。
派手なワイシャツ、キャラクター刺繍のネクタイ、奇抜な上着、ユニークなハンカチ、アンティークなカバン。
自分好みのデザインであれば、個性も表現しやすくなるでしょう。
個性的な服装は目立ちます。
もちろんプライベートならいいのです。
プライベートなら、奇抜な服装であろうとだらしない服装であろうと、何でも自由でいい。
自分の個性をありのまま表現するような服装でOKです。
プライベートであれば誰からも文句は言われません。
好きな服を着ることで、自由に個性を表現できます。
なりたい自分になれ、気持ちも明るくなるでしょう。
しかし、ビジネスでは別です。
ビジネスでは、個性を前面に出した服装には注意することです。
ビジネスシーンの服装は、敬意を払う意味があるからです。
ビジネスシーンの服装には、特別な意味があります。
単なる身だしなみという意味ではありません。
「相手に不快感を与えない」という意味だけではありません。
「相手に敬意を払う」という意味があります。
ビジネスでは、自分の好みは後回しにしたほうがスムーズに進みます。
営業や商談では、スーツが基本です。
ネクタイを締め、腕時計を身につけ、全体的に清潔感を意識します。
きちんとスーツを着ることで形式張った印象を与えますが、だからこそ相手に敬意を表現することができます。
敬意を払うことは、ビジネスを円滑にするマナーです。
最近は私服を許容する職場もありますが、油断は禁物です。
私服を許容する職場であっても「大切な場面ではスーツを着るもの」と心得ることです。
クールビズでノーネクタイが許されていても、お客さまや取引先と接するときは、きちんとネクタイを締めることです。
堅苦しい服装をすることで、敬意を表現できるからです。
この考え方はビジネスだけではありません。
プライベートにおいても、礼儀作法を重んじる場面では「服装は相手に敬意を払うためにするもの」という考え方が大切です。
たとえば、記念日にパートナーとディナーに行くなら、きちんとスーツを着ていくほうがいいでしょう。
相手に敬意を払うためです。
びしっとスーツを決めることで「あなたは私にとってそれだけ大切な存在です」という尊重のメッセージを伝えることができます。
質の高いスーツを着るほどの高い価値があることを暗にアピールできます。
堅苦しい服装ですが、堅苦しいからこそ有効であることもあります。
敬意を払って払いすぎることはありません。
慣れ親しんだ相手であっても、節度を失うのは不和のもとになります。
どれだけ親密な仲であっても、大切な場面では礼儀を重んじた服装をするほうがスムーズです。
相手に敬意を払う場面では、自分の好みは忘れ、きちんとした正装で整えるのが正解です。