幸福と不幸は「気づきやすさ」に大きな特徴があります。
この特徴は、あなたの人生にも役立つはずですから、ぜひとも覚えておくといいでしょう。
それは「幸福は気づきにくく、不幸は気づきやすい」という特徴です。
どちらも幸福感に関わる感覚ですが、気づきやすさは、天と地ほど大きな違いがあります。
幸福は気づきにくい特徴があります。
人には「危険回避」の本能があります。
命を守るためには、危険を回避することが重要です。
幸福は、危険に関係しないため、注意が向きません。
「問題がない」と判断するため、無意識のうちにスルーしてしまいます。
なかなか注意が向かないと、実感も湧きにくい。
幸せなことが10個あろうと100個あろうと、気づかなければ、ないも同然になるのです。
たとえば、健康です。
健康は幸せなことですが、普段は実感しにくいのと同じです。
健康そのものは危険に直結しないため、普段は注意が向きません。
健康を失ってから、健康に注意が向いて、いかに健康が幸せなことであるか気づきます。
そのため普通にしていると、幸せがあっても気づきにくくなるのです。
一方、不幸は違います。
不幸は、気づきやすい特徴があります。
不幸なことは生命に関係しています。
人間には危険回避の本能がありますが、不幸は危険に関係していること。
本能的に不幸には敏感に反応するため、不幸のほうが目立ちやすくなります。
こうした気づきやすさの違いのため、私たちは普通に生活していると、幸せより不幸のほうに注意が向き、目立って見えるのです。
「私は幸せではない」
もしそう思うことがあるなら、本当に幸せでないのか、いま一度疑ってみてください。
自分では「幸せではない」と感じても、実際は「気づいていないだけ」という可能性があります。
思い出してください。
「幸せは気づきにくく、不幸は気づきやすい」という特徴を。
不幸のほうが目立って見えるため「不幸に囲まれている」と錯覚しているだけです。
不幸しか見ていなければ、悪いことが浮き彫りになり、不幸に感じるのも当然です。
不幸だと思ったとき、恵まれている幸せに注目してみてください。
どれも幸せなことです。
当たり前に感じるかもしれませんが、どれも幸せの1つであるのは事実です。
希少性や有用性にとらわれてはいけません。
価値や金額の大小にとらわれてもいけません。
安全・安心・希望につながることは、すべて幸せです。
それらは普段実感しにくいことですが、あなたの幸福に関わる重要な要素です。
「幸せではない」という感覚の大半は、気のせいであり、勘違いです。
幸福は気づきにくくて、不幸は気づきやすいため、そう感じるだけのこと。
たとえ少しくらい不幸なことがあっても、自分の周りにある数々の幸せに気づけば、悲しい気持ちは吹き飛ぶでしょう。
はっと我に返り「どうして落ち込んでいたのだろう」と不思議に思うはずです。
あなたは、不幸ではありません。
不幸どころか、本当は幸せなのです。