「知識に偏りがあるね」
そう言われたとき、自分の勉強不足に気づかされます。
誰もが普通に知っていることを自分だけ知らないと、自分が遅れているように感じて、不安になる。
勉強不足の自分が恥ずかしく感じ、情けなくなる。
「そんなことも知らない」と言われると、見下されたように感じ、むっとする人もいるかもしれません。
知識の偏りをばかにされると、興味関心のない分野であっても、広く満遍なく勉強もしようとする人もいるでしょう。
もちろん一般常識ならいいのです。
日常を過ごすうえで必要な知識なら、ある程度広く浅く知っておく必要があるでしょう。
税の知識、健康の知識、法律の知識。
生活上の知恵、仕事上の知恵。
言葉遣い、マナー、礼儀作法。
社会のこと、政治のこと、世の中のこと。
生活に密着した知識は生きるうえで必要ですから、一般常識を知っておくことは大切です。
しかし、自分の専門に関しては、平均以上に知識を深めておく必要があります。
知識を深めて深めすぎることはありません。
専門は、仕事の範囲であり、守備範囲です。
人や社会の発展につながり、使命を果たす場所ですから、とことん知識を深めておきたい。
自分が戦う土俵に関してだけは、誰にも負けないくらい詳しくなっておく必要があります。
詳しいからこそ、素晴らしい結果を発揮できるようになります。
するとどうなるか。
専門に関しては博識になる一方、専門以外は素人同然、あるいはそれ以下になります。
専門を深めるにつれて知識が豊富になる一方、専門以外とのギャップが広がります。
つまり、相対的な差が広がっていくのです。
知識の偏りを恐れてはいけません。
知識の偏りは、あって正常です。
とことん専門を深めていけば、知識が偏るのは自然なこと。
知識が偏っているのは、むしろ自分の専門を深められている証拠です。
「詳しいね」「よく知っているね」と周りから感心されるくらいになっておきたい。
自分の守備範囲を、しっかりカバーできているといえます。
得意分野が確立され、仕事における武器として磨きがかかっています。
「知識が偏っているね」と指摘されることを恐れないことです。
自分から知識を偏らせにいくくらいでかまいません。
知識が偏ってこそプロの条件。
広く浅く知っている人より、特定の分野だけ詳しくなっているほうが、プロの風格です。