才能を開花させるには、どうすればいいのでしょうか。
そのヒントは「捨てること」にあります。
たとえば、スポーツの短距離走・長距離走で考えてみます。
短距離走で勝つには、長距離走を捨てなければいけません。
一方、長距離走で勝つには、短距離走を捨てなければいけません。
短距離走も長距離走も「走る」という点は同じでも、それぞれ鍛えなければいけないポイントが違います。
両方で1番を取ろうとすると、共倒れになるでしょう。
長距離走を捨てたとき、短距離走のトレーニングに集中でき、才能を開花できます。
短距離走を捨てたとき、長距離走のトレーニングに集中でき、才能を開花できます。
捨てることは、選択と集中を徹底することになるからです。
スポーツに限りません。
将棋のプロになるなら、チェスを捨てなければいけません。
チェスのプロになるなら、将棋を捨てなければいけません。
将棋もチェスも「駒を動かす」という点は同じでも、それぞれ勝負のポイントが違います。
チェスの専門家は、将棋を捨てたとき、チェスの勉強に集中でき、才能を開花できます。
将棋の専門家は、チェスを捨てたとき、将棋の勉強に集中でき、才能を開花できます。
これはビジネスでも共通です。
特定分野の専門家になるから、それ以外の道を捨てる覚悟が必要です。
もちろん才能の芽があることが前提ですが、どの世界においても、才能を開花させるには捨てることが欠かせません。
私たちは、何でもできるスーパーマンを夢見がちですが、実際は難しいのが現実です。
捨てることによって、選択と集中が徹底され、才能の開花に近づけます。
プロに共通していることは、余計なものを捨てている点です。
一流のプロであればあるほど、多くのものを捨てて、限りある資源を1点に集中させています。
捨てたからといって必ず才能を開花できるわけではありませんが、才能を開花させている人は必ず捨てています。
欲張って、あれもこれも手を出さないこと。
「捨てられない」と言っているのは、本気で才能を開花させるつもりがなく、プロになる覚悟が甘いと言えます。
余計なものを捨てることは、プロになるための登竜門です。
捨てることができないと、プロにはなれません。
すべてを手に入れたいと思うのは正直な気持ちですが、才能を開花させ、プロになるにはどうしても捨てる作業が必要です。
捨てる対象はさまざまです。
物かもしれない。
趣味や娯楽かもしれない。
特定の人付き合いかもしれない。
一度に捨てるのが難しいなら「自分の専門には関係ない」と断言できるものから捨てていくといいでしょう。
何かを1つ捨てることができれば、2つ目や3つ目も捨てやすくなります。
才能の芽を見つけたら、その芽がつぶれる前に余計なものを捨て、限りある資源を集中させてください。
できれば、肝心なこと以外はすべて捨ててしまうくらいでかまいません。
自分の才能を開花させるには「捨てる覚悟」が必要なのです。