真面目な人には責任感があります。
仕事に誠実で、何事も責任を持って行動します。
必要な責任は、拒もうとせず、きちんと負うことを果たします。
もちろん責任者という立場なら、責任を負う必要があるでしょう。
たとえば、店長やリーダーです。
大勢を取りまとめたり、計画の中心人物だったりすれば、1人に責任が集中する場合もあります。
責任感を持つと、適度な緊張感が生まれます。
行動や考え方も洗練され、社会人としての品格を高める力があります。
立場に応じた責任なら、しっかり負って、果たすことが大切です。
しかし、真面目すぎる人は、責任を負いすぎる傾向があります。
「責任を負うことが立派」
「責任感を持ったほうが社会人らしくなる」
「責任者なら、とにかく全責任を負わなければいけない」
真面目すぎる人は「責任を負うことが善」という考え方があります。
責任に過剰な美意識があり、拒もうとしません。
それどころか、自分から責任を負いに行こうとします。
責任を負いすぎていると、トラブルが起こったとき、致命的です。
仕事を失ったり借金を背負ったり家族を失ったりなど、甚大な損害が発生します。
たった一度のトラブルで、一生を台無しにする可能性もゼロではありません。
「全責任を負う」という言葉は、響きこそいいですが、現実では大変リスクが高いのです。
とにかく責任を負えばいいわけではありません。
お金も時間も体力も有限ですから、1人で負える責任も限界があります。
そこで必要なのが「責任の分散」です。
自分の様子を振り返ってみましょう。
1人で責任を負いすぎていませんか。
「自分がこんなに責任を負う必要があるのだろうか」と疑問に思うことがあれば、要チェックです。
責任を負いすぎている点があるなら、分散を検討してください。
責任の分散とはいえ、責任から逃げているわけではありません。
不当な責任転嫁でもなければ、責任の所在を曖昧にするわけでもありません。
あくまでリスク対策の一環です。
責任を分散させたほうが、仕事の精度やスピードが上がることも少なくありません。
責任の分散は、自分のためだけでなく、会社のためにも顧客のためにもなります。
1人で負いすぎた責任は、自己犠牲にしかなりません。
「責任を負うことが善」という自分を犠牲にするような考え方を改めることです。
1人で責任を負いすぎているなら、トラブルが発生する前に、適切に分散させるのが得策です。