企業で働いていれば、悩まされるのが人事異動。
職場が変わるだけでなく、仕事内容もまったく変わる場合があります。
転勤先が、県外ということもあれば、海外ということもあります。
職場と仕事に慣れてきたところで異動になるのは、モチベーションにも影響するでしょう。
事実、遠隔地への転勤は、さまざまな問題が浮上しています。
慣れない仕事や職場への対応だけではありません。
子どもがいれば、転校が必要です。
介護を必要とする家族がいれば、簡単に引っ越しするわけにもいかないでしょう。
仕方なく単身赴任になっても、家族関係に悪影響が出れば、仕事にも悪影響が及ぶ可能性があります。
そうした社員の悩みをくみ取って登場したのが「勤務地限定制度」です。
勤務地限定制度とは、限られた地域に勤務地を限定する制度です。
聞き慣れない制度かもしれませんが、勤務地限定制度を採用している企業は少なくありません。
最大のメリットは、単身赴任がなくなるため、家族との時間を多く持てることです。
家族からの精神的支えは、なにより嬉しいこと。
夫婦や子どもとの関係が充実することで、仕事への活力も生まれるでしょう。
人事異動による転勤がないため、仕事に集中しやすくなる場合があります。
地域に根付いた人間関係やサービスなど、思う存分、仕事に打ち込むことができるでしょう。
勤務地限定制度には、昇給率が低いというデメリットがあります。
高収入を得たい人には向かず、給与が制限されることで、家計が厳しくなる可能性があります。
昇進はありますが、一定の地位までという場合が一般的です。
どの地位まで昇進できるかは、企業によって異なります。
希望の仕事があっても制限されることがあるため、出世を望む人には難しいと考えていいでしょう。