有名人になれば孤独から抜け出せると思うなら、大間違いです。
有名人ほど、孤独を感じている存在はありません。
心の穴を埋めるためだけに有名になろうとすると、失敗します。
有名になるのは、孤独になることです。
有名人になると多くの人から愛されそうになりますが、実際は反対です。
有名になるほど、一般人とのギャップが大きくなります。
たしかに知名度は上がりますが、愛されるとは別です。
動物園にパンダを見に行くことはありますが、パンダを愛しているわけではありません。
「うわっ、すごい!」で終わりです。
有名人になるほど、客寄せパンダになります。
有名人は、一般人と立場の差が大きいため、自分の気持ちを理解してくれる人がいなくて、孤独を感じています。
有名人になるほど、一般人とのギャップはさらに大きくなり、自分の気持ちを理解してくれる人が少なくなります。
余計に孤独を感じます。
人間関係には、似通った者同士が、自然と寄り集まる法則があります。
立場が同じなら、気持ちを共有しやすく、心地よいからです。
しかし、あまりに有名になりすぎると、似通った人さえいなくなります。
気持ちを共有できる人が、いなくなります。
なにより有名になるのは、重大なデメリットがあります。
一度有名になってしまうと、無名に戻れないことです。
ある程度有名になると「忘れてください」と言っても、忘れてもらえません。
もう一般人には戻れず、どこへ行っても、客寄せパンダです。
「自分はもう、一生涯孤独なのか」と絶望します。
このとき、真っ暗な孤独を感じるのです。
あまりにも強い孤独に耐えられず、現実を忘れようとして求めるのが、薬物です。
大物俳優やハリウッドスターが薬物に依存してしまうのも、そういう理由からです。
そういう事実を知ったうえでテレビを見ると、有名人を見る目が変わります。
カメラの前では、仕事として明るく元気に振る舞っていますが、実は死ぬほど深い孤独を感じているのです。