仕事熱心な夫は、毎日残業で帰宅するのが遅くなりがちです。
一見すれば、家に帰るのが遅い状態は、家庭のことを軽んじているようにも思えます。
一概にそうとも言えません。
仕事熱心は、少しでも多くお金を稼いで家計を楽にしたい、家庭思いの気持ちもあります。
これから長い社会生活ですから、人間関係や昇進などもあるでしょう。
会社を首にならないように、夫なりに懸命になっている姿です。
全然働かない夫に比べれば、熱心に働いている夫はどれだけ素晴らしいかわかることでしょう。
仕事を抱えすぎず、定時退社ができればいいですが、年末や決済時期の忙しい時期は、やはり定時には間に合わないこともあります。
妻や子どものために、サボりたくてもサボらず、熱心に仕事をしています。
しかし、いくら仕事熱心とはいえ、限度もあります。
ときどき、仕事が熱心すぎて、家にまで仕事を持ち帰る人がいます。
残業まではいいですが、家にまで仕事を持ち帰るのはよくありません。
もし家に仕事を持ち込んでしまうとどうなるでしょうか。
仕事を家に持ち帰ってしまうと、家が仕事場になります。
仕事と家庭との境界線が曖昧になります。
妻が作ってくれた食事を食べながら、会社の資料を読む。
妻との会話が、うわの空になる。
家にいるにかかわらず、会社のことが気になって仕方ない。
そうなると気が休まる時間がありません。
仕事を少しでも多くしたい気持ちはわかりますが、さすがにこれはやりすぎです。
そもそも企業の資料を、外部に持ち出している状態もよくありません。
秘密事項や顧客情報が含まれているものをうっかり落としてしまうと、ただでは話が済まなくなります。
会社のことを考える愛社精神は大変素晴らしいですが、超えてはいけない一線もあります。
「職場は職場、家庭は家庭」です。
この区切りをきちんとつけることで、夫は心身ともにメリハリがつきやすくなります。
メリハリがあれば、職場では仕事に集中しやすくなり、家庭では妻に集中できるということです。
会社内では仕事のことを考え、定時が過ぎて、会社から一歩でも外に出れば、会社のことは忘れてしまうのです。