「ベルジュバンス」という弱酸性のパーマ液を開発した、山崎伊久江さん(1918年~2004年)という方がいました。
通常、パーマ液といえば、アルカリ性です。
髪にパーマをかけるためには、パーマ液で髪のシスチン結合を一度切り離して、結合し直す必要があります。
そのため、アルカリ性は常識でした。
しかし、アルカリ性は体に悪く、皮膚の弱い人には肌を傷める原因になることがあるため、敬遠されました。
また髪にとってもアルカリ性は悪く、痛みの原因になっています。
山崎さんは、もともとくせ毛という強いコンプレックスがありました。
そのコンプレックスを克服したいがゆえに、一生涯を通じて熱心にパーマ液の勉強をしました。
人間の肌に優しい「弱酸性のパーマ液」の実用化に、世界で初めて成功しました。
誰もが成し得なかった世界で始めての弱酸性パーマ液を開発できたのは、それだけ強いコンプレックスがあったからです。
「何とかしたい」という気持ちが、バネになり、飛躍したのです。
あなたは、コンプレックスを直そうという努力をしてきました。
それは直さなくてもいい。
直ったら普通の人になります。
私たちは、コンプレックスさえなければうまくいくと考えます。
しかし、実際は逆です。
コンプレックスがあるから、うまくいきます。
大成した人間ほど、それだけ強いコンプレックスがあり、その特性を生かして成功しました。
あなたも自分のコンプレックスを「何とかしたい」という気持ちになっていることでしょう。
その気持ちをエンジンにして、前に進みます。
コンプレックスは「直す」のではなく「バネ」にすればいい。
向き合いたくないコンプレックスほど、強い改善意欲をかき立てる原動力になります。
さあ、コンプレックスで大きく飛躍しましょう。