資本主義社会には「ゼロサムゲーム」という別名があります。
1を足して、1を引けば、ゼロに戻ります。
あなたが得をするということは、誰かが損をするということです。
得点と失点を合計(sum)すれば、ゼロ(zero)になるゲームということです。
資本主義全体から見れば、お金の量は変わらず、部分的にお金の多寡が変化しています。
あなたがお金で得をしているということは、世界のどこかでお金の損をしているということです。
あなたが、道端でお金を拾ったということは、誰かが落として損をしたということです。
全体として、お金は増えたり、減ったりしません。
流れがよくなるか、悪くなるかどうかです。
流れのいいところはたくさんのお金が通過して、流れの悪いところはお金があまり流れません。
あなたが健康になるために、血液をたくさん欲しがるでしょうか。
血液の量を増やしても仕方ありませんね。
健康になるためには、血液を増やすのではなく、流れをよくしようとします。
血液の流れがよくなれば、体全体の調子がよくなります。
健康の善しあしのポイントが「血液の流れ」であるように、生活の善しあしのポイントは「お金の流れ」です。
お金をたくさん稼ぐ人は、お金の流れがいい人のことです。
たくさんお金を稼いでいるように見えますが、どこかで必ずお金を使っています。
たくさんお金を使っているから、自分のところに戻ってきている循環が速いです。
父や母のプレゼントのために、お金を使います。
家族との関係がよくなれば、助けてくれる、お金の収入につながります。
友人と一緒に出かけたり、食事をするためにお金を使ったりします。
友人との関係がよくなれば、新しい仕事をもらったり、仕事のアイデアが浮かんだりして、お金の収入につながります。
仕事を向上するために本を買い、お金を使います。
仕事のために、本を読めば自己投資になり、仕事ができるようになれば、さらにお金を稼ぐことができるようになるでしょう。
たくさん使うことで、たくさんお金が入ってくるようになります。
しかし、たくさん入ってきても、たくさん使っているので、ゼロです。
これが「ゼロサムゲーム」です。
増えもせず、減りもせず、最後に残るのは、流れによって残したさまざまな「効果」だけです。
家族関係・友人関係・知識・知恵・技術の習得など、プラスの効果ばかりが残ります。
残すなら、お金ではない、そうしたことを残します。
「金は天下の回りもの」という言葉がありますが、たくさん回すことが大切なのです。