感動は、事実だけを述べた内容にはありません。
事実だけを述べている話し方は「説明書」です。
間違ってはいませんが、面白くありません。
面白い内容になるのは、イメージができる話し方のときです。
たとえば、次の2つの表現では、いかがでしょう。
どちらも「男性が苦手であることを表現したい内容」です。
印象を強く感じるほうを、あなたが感じ取りましょう。
一番のほうは、事実をありのまま並べているだけです。
「彼女は男性が苦手である」という事実を、そのまま表現しています。
意味はわかりますが、そっけなく、つまらない内容です。
「そうですか」と白けてしまい、それ以上の印象は残りません。
しかし、2番のほうは、イメージができる話し方に変えています。
「男性が現れた瞬間に、彼女の笑顔が突然消えた」という文を読みながら、そのシチュエーションを想像したことでしょう。
イメージができると、不思議なことに、人間特有の「感情」が含まれるようになります。
彼女の笑顔が突然消えるところを想像できると、頭の中で描いた場面を見て「本当に男性が苦手なんだな」と感じます。
感じることができるようになると、感動が含まれる内容になるのです。
実際には、その現場が見えるわけではありません。
文章を読んで想像して、そういうふうに感じただけです。
しかし、イメージができるだけで、印象が本当に変わります。
説得力のある話し方とは、イメージができる話し方です。
想像ができる話し方ということです。
具体的なイメージができるほうが、説得力があります。
あなたの単調な話し方を、読者が想像しやすい話し方に変えましょう。
そのほうが、シチュエーションを具体的にイメージできます。
聞いている人の「感情」を揺さぶることができるのです。