ときどき話の長い人がいます。
言いたい気持ちが度を越えて、くどくど話を長く続ける人です。
本当に聞いてもらいたい話は、長くてはいけません。
話が長いと、どんないい話も、お説教のように聞こえてきます。
人間は「お説教は聞きたくない」という本能が働き、聞いてもらいにくくなります。
私は小学生のころ、毎週月曜には朝会がありました。
体育館に全校生徒が集まり、校長先生の話を聞きます。
しかし、校長先生の話に限って、長いのです。
10分や20分は当たり前で、時には30分も、延々と1人で話し続けます。
話を聞いている途中、貧血で倒れている人が出ていたくらいです。
どんなにいい話で一生懸命に聞いていても、長い話は誰でも途中で疲れ、何を言いたいのかわからなくなります。
私は小学校の校長先生から聞いた話で「昭和天皇が亡くなりました」という話以外はまったく思い出せません。
それ以外の話は、どれもくどくど長すぎて、何も印象に残っていません。
驚くほどに、何も覚えていません。
校長先生は、長い話のほうが、説得力があると思っていたようです。
生徒へ伝えたい熱い気持ちが先走り、冗長な言葉に加え、切りのない長話に、全校生徒がぐったりしていました。
話は短いほうが、説得力があります。
ことわざは、どれも短い一文です。
短いから、聞きやすく、わかりやすく、納得しやすくなります。
すっと心に入り込んで印象に残ります。
説得力の高い話ほど、ことわざのように短くすることが大切なのです。