宿命は、言い換えれば「お守り」と言えます。
「え? お守りって、あのお守りのこと」
はい、そうです。
安心を得るために持つ、あのお守りのことです。
なぜ、宿命がお守りとしての役目を持つことができるのかというと、盗むことができない絶対的な存在だからです。
生まれつき持っている宿命は、他人から奪われることはありません。
自分ですら、取り外したり、変えたりできません。
絶対的な存在なのです。
自分の父と母を、誰かと交換することはできません。
自分の父と母は、変わることができないのですから、安心します。
自分の性格も、誰かと交換したり、捨てたり、取り外したりできません。
一生涯、自分に内在し続けることですから、これほどの財産もないと言えます。
お金は、奪われる心配があるため、いつも心が休まりませんが、宿命は誰からも奪われることがないため安心があります。
ゆえに、お守りとしての効果があります。
「女として生まれてしまった」と思うのではなく「女として生まれてよかった」と安心すればいい。
宿命は、奪われることのない財産なのですから。
男である私は、女になることができません。
性別適合手術という手法も存在しますが、完全なる女性になりきることは不可能です。
どんなに大金を積んでも、時間をかけてもかなうことができませんが、女性は初めから手にしています。
素晴らしい財産です。
奪われることもありません。
これほどのお守りは、ほかにないのです。