お金を貸すぐらいならあげたほうがいいのです。
貸したお金は返ってこないと思ってください。
借りるときは「必ず返すから!」と平身低頭で懇願されますが、十中八九、返ってきません。
簡単に約束を破られます。
借金は、貸したほうは覚えていても、借りたほうは忘れます。
金銭トラブルは、人間関係を引き裂きます。
お金が返ってこないことで相手を恨むことになり、人間関係が壊れます。
こうしたことにならないためにも、借金を頼まれたら必ず断ることが大切です。
ところがです。
頭では「断ったほうがいい」とわかっていても、いざ直面すると、これがなかなか難しい。
何度も頭を下げながら「どうかお願いします!」と涙目で頼まれると、非常に断りにくい。
感情に訴えかけられると、断ることに良心が痛みます。
大切な人であればあるほど、必死の懇願を無視しにくいもの。
だんだん気持ちが揺らいできて「まあいいか」となり、ついお金を貸すことになります。
そして案の定、貸したお金は返ってきません。
「お金を返してほしい」と言えば、冷たい人として扱われ、恩を仇で返されます。
人生の法則のとおり、お金と友人の両方を失うことになります。
「やはりあのときお金を貸すべきではなかった」と後悔することになるのです。
こうした事態にならないためにも、今のうちに「お金の誓い」を立ててください。
「借金を頼まれたら必ず断る。貸すのであればあげる」と。
普通に意識をするのではありません。
正式に誓いを立てるのです。
誓いを立てておけば、いざというとき、強い決断力を発揮できます。
友人から「そんな人だと思わなかった」と非難されても、心を鬼にして断ることです。
大げさなことではありません。
大切な友人を失うかどうかを決める、重要な誓いです。
どうしてもお金を貸せないときは、あげるほうがましです。
あげるには金額が大きすぎることもあるでしょう。
全額である必要はなく、一部でもかまいません。
10万円の借金を頼まれたら、1万円をあげます。
あげる金額は「頼まれた金額の10分の1」が目安です。
全額は負担できなくても、一部であれば負担が小さくなるでしょう。
あげてしまえば、お金のことで気に病むことがなくなり、精神衛生がよくなります。
少なからず助けたことになるので、友人関係が壊れることはありません。
友人は人生の財産ですから、接し方は慎重になりたい。
お金を失うことになっても、友人を失うことはなくなるのです。