耳が不自由な人の気持ちは、どうすれば理解できるのでしょうか。
耳を手でふさいでみればみるのです。
私たちの耳の穴は、目や口とは違い「閉じる」という機能がありません。
目や口は閉じることができますが、耳の穴はずっと空いたままのため、普段ふさがることはありません。
だから、意図的に耳をふさいでみるのです。
急に音が聞き取りにくくなるでしょう。
実際は完全に音が聞こえなくなるわけではありませんが、音が大幅に聞き取りにくくなるはずです。
とても生活がしにくくなり、大きな不便を感じるはずです。
耳が不自由な人は音が聞き取りにくい状態で日々を過ごしていて、そうした人の気持ちを理解する一助になります。
耳が不自由な人と出会うことがあれば、相手の気持ちに寄り添った、思いやりのある接し方ができるようになるでしょう。
さて、もうひとつ大切なことがあります。
そのまま数分ほど耳が不自由な状態を維持したら、次は穴をふさいでいた手を離してみてください。
ふさぐのやめた瞬間、音が耳に飛び込んできます。
しかもクリアに音が聞こえて、ちょっとした感動を覚えるはずです。
耳が聞こえることの素晴らしさを再認識できるのです。
そして「音の世界」に生きていることにも気づかされるでしょう。
私たちは常に音が聞こえている状態のため「聞こえることの素晴らしさ」をなかなか実感できないでいます。
音が聞こえることは、それだけで幸せでありがたいことです。
たまには耳でふさいでみると、大切なことを発見・再認識する機会になるのです。