ポジショントークとは、自分の立場を利用して、自分が有利になる発言のことをいいます。
もともと投資業界で使われていた言葉ですが、現在では幅広い業界で使われています。
テレビや雑誌では、専門家たちが自分たちの立場を利用してポジショントークを繰り広げています。
作家が「本を読むのはいいことです」と言うのも、書籍の売上を上げるためのポジショントークと言えるでしょう。
世の中にはポジショントークとわかるやいなや、すぐ拒否反応を示す人がいます。
すぐ距離を置いて、ポジショントークの内容を無視したり遮断したりです。
中身を吟味することなく、すぐ否定する人もいます。
「ポジショントークにはろくなものがない」
「なんだ、ポジショントークだったのか。聞いて損をした」
「ポジショントークは大げさな話ばかりで、情報がゆがめられている」
もちろんポジショントークは、発言者にとって有利な状況になる発言なのでしょう。
誇張や偏りが含まれやすい傾向があるのも事実。
だからといってあらゆるポジショントークをスルーするのも考えものです。
ポジショントークを何でも否定していると、良質な情報が入ってこなくなります。
ポジショントークを語る多くは、その道の専門家です。
自分の業界を熟知していて、専門家だからこそ知っている貴重な情報もあるでしょう。
詐欺師でもないかぎり、騙そうとしているわけではなく、自分が知っている真実を語っているだけです。
そのため貴重な話や裏話が聞けたり、意外な情報や役立つ知識が得られたりする可能性があります。
大切なことは「これはポジショントーク」と頭に入れたうえで話を聞くことです。
ポジショントークであることをわかった前提で話を聞けば、誤解や過信が生まれることはありません。
「この人はポジショントークをしているね。誇張や偏りが含まれているかもしれないけど、貴重な情報だから一応聞いておこう」
相手の話に流されず、慎重に情報を確認することができ、話に流されることがありません。
自分の軸を保ちながら、冷静な思考で耳を傾けることができます。
あらかじめ注意を払っておけば、ポジショントークも良質な情報となります。
ポジショントークであっても、耳を傾ける価値はあるのです。