「義務教育」という言葉を聞いたとき、どんなイメージがあるでしょうか。
「義務」という言葉があるためでしょうか。
勉強を強いられるイメージを持つ人もいるかもしれません。
私たちの国には「義務教育」という制度があります。
小学から中学までの9年間、事情がないかぎり、学校に行って勉強しなければいけないことになっています。
たしかに勉強が好きな人はあまり多くいないでしょう。
「勉強が嫌い」という人は多いですが「勉強が好き」という人は少ないのが現実です。
小学校や中学生の頃、学校に行くのがおっくうだった人もいるはずです。
素直に義務教育を喜べず、抵抗を感じる人もいるかもしれません。
だからといって義務教育を批判するのは安易です。
義務教育は素晴らしい制度です。
現在の義務教育は、明治以降に始まった制度です。
学校教育に関する法律は「学制→学校令→教育勅語→教育基本法」という変遷をたどっています。
明治以前に義務教育はありませんでした。
江戸時代、私塾や寺子屋は存在しましたが、もちろん義務ではなく希望者だけであり、お金も必要でした。
さらに昔にさかのぼると、教育らしい教育はありませんでした。
勉強は一部の特権階級しか受けることができず、庶民には許されませんでした。
勉強しようにも手段がありませんでした。
現代は違います。
すべての人に教育を受ける権利が与えられ、勉強の機会が与えられています。
義務教育では、授業料も教科書代も無償です。
義務教育を通して世の中に必要な最低限の知識をひととおり学べます。
以前は一部の人しか受けることができなかった勉強を、今では誰でも無償で受けることができるようになりました。
これほど恵まれたことはありません。
現代では義務教育を受けることになっているので当たり前に思えますが、これほど素晴らしいことはありません。
一昔前の人から見ると、きっと羨ましく思うことでしょう。
私たちは今、大変恵まれた時代に生きています。
義務教育という素晴らしい制度を喜び、感謝しましょう。
義務教育を提供してくれる国にも感謝しましょう。
義務教育に感謝してしすぎることはないのです。