世の中に「単なる食事」は1つもありません。
あなたの心に「単なる食事」と思う気持ちがわずかでもあるなら、今すぐその心を改めたほうがいいでしょう。
それは傲慢です。
食べることに対して感謝の気持ちを忘れています。
声に出して言うのはもちろんのこと、心で思うだけでも要注意です。
食事はすべて命です。
誰かが命を落としてできたものです。
肉であれ、米であれ、野菜であれ、捧げてくれた命に感謝していただくこと。
食べる行為は命をいただく行為ですから、敬意と感謝の念を持つことが不可欠です。
たとえそれが口に合わないものだとしても、命であることに変わりありません。
食事はすべて、地球の営みからできたものです。
動物であれ穀物であれ果物であれ、もとをたどれば地球の営みです。
私たちは、地球からエネルギーや栄養をいただいています。
おかげで私たちは今、生きています。
食べなければ生きていけません。
食べることは生きることです。
食事を通してエネルギーと栄養を得ることで、私たちは生きることができ、次世代に命をつないでいけます。
あなたの目の前にある食事は、突然できたものではありません。
育てられ、切り取られ、運ばれました。
味付けされ、盛り付けされ、そして提供されました。
プロセスには大勢の人が関わっていて、長い時間と多大な労力がかかっています。
一連の流れがあり、きれいにつながっています。
あなたの目に前にある食事には「物語」があります。
長いプロセスを経た結果、今あなたの目の前にあります。
たかが食事と思っているなら、今日から食べることを一切やめてみればいいのです。
しばらくすれば空腹を感じ始め、いずれ飢餓に苦しめられるでしょう。
飢餓に苦しめば苦しむほど、食の大切さを身にしみて理解するはずです。
こうした事実を知れば「たかが食事」と考えることはできないとわかるはずです。
意識の問題ですが、その意識こそが大切です。
私たちの食生活は、意識だけで変わります。
意識が変われば心が変わり、心が変われば態度も変わります。
食に感謝すると、日常が輝いて見えます。
いかに自分が恵まれているのか実感できます。
生きていることが素晴らしく思えます。
生きているだけで感謝しかありません。
「たかが食事」と考えるのではありません。
「貴重な食事」と考えましょう。
貴重な食事と思えば、丁寧な食べ方をしたくなります。
どんな食べ物でも大切にいただこうと思うようになります。
食意識が研ぎ澄まされ、より味わいが深く感じられるようになります。
「ゆっくりよく噛んで食べなさい」と言われなくても、自然な意識で心がけるようになるでしょう。
世の中に単なる食事は1つもありません。
世の中にあるのは、すべて貴重な食事ばかりです。