食事をするたびに「この食事を楽しめるのは最初で最後」と考えてください。
「普段から食べ慣れている食事だ」
「目の前の料理は、何度も食べたことがあるもの」
「昨日も同じものを食べた。明日も同じものを食べる予定」
そう思うかもしれませんが、厳密には違います。
大まかな様子は同じであっても、細かな点に注意を向けると違いがあります。
自分で同じ料理を作るとします。
同じものを作るとしても、毎回完全に同じものは作れません。
少しでも具材の量が違っていれば、味や外観に差が生まれます。
調味料の量が少しでも違っていれば、味付けが変わってくるでしょう。
わずかではありますが、完全に同じというわけではありません。
同じように見えても、味や外観がわずかに違っています。
塩おにぎり1つとはいえ、違います。
塩の量が違えば、塩味もわずかに変わります。
お米の種類や炊き具合が変われば、食感や歯ごたえが変わります。
おにぎりの三角の形ですら、握り方によって毎回わずかに変わるでしょう。
お店で販売されている既製食品なら同じではないかと思いますが、やはり一期一会という点は同じです。
食べるタイミングが違います。
「その時間にその場所で食べる」という行為は、一生に一度だけです。
同じ食べ物でも、タイミングが違えば、気分も雰囲気も違うでしょう。
本当に何もかもが同じということはありません。
同じようで、同じではありません。
味といい外観といいタイミングといい、毎回違っています。
すべての食事は、一期一会です。
食事の際は、一期一会の気持ちで食べてください。
そして一口一口を大切にしましょう。
味も見た目も雰囲気も、楽しめるのはそのときが最初で最後です。
二度と味わえない貴重なものとして、しっかり堪能しましょう。
一度かぎりの芸術作品を食べているのです。