年齢を重ねるにつれて、食が細くなることがあります。
昔はたくさん食べても平気だったのに、だんだん小食に変わっていきます。
胃袋が小さくなったと感じることがあるでしょう。
丼物を食べきるのが大変に感じてくる。
定食をすべて平らげるのが難しくなってくる。
人にもよりますが、30代に入るとじわじわ感じ始める人が多いようです。
無理やり胃袋に詰め込もうとすると、吐き気や胃もたれを起こして大変になります。
食べる量が少なくなれば、食の楽しみも半減するような感じがあるもの。
「最近めっきり食が細くなった。胃が小さくなってしまった。ずいぶん年を取ったものだ」
食の楽しみが制限されたかのように感じるかもしれません。
しかし、大丈夫です。
まったく問題ありません。
食が細くなっても、落ち込む必要も諦める必要もありません。
それはなぜか。
食が細くなれば、食の質を上げればいいからです。
食が細くなっても落ち込む必要はありません。
食べられる量が減った分だけ、食の質を上げましょう。
食事の質とは「栄養」を含めて考えるものとします。
食べられる量が2分の1になれば、食事の質を2倍に上げましょう。
食が細くなってもうまくバランスが取れます。
たとえ食べられる量が3分の1になったとしても、食の質を3倍に引き上げればいいことです。
食の質を上げることで、おいしさの喜びも、味わいの感動も高まります。
食で大切なことは「いかにたくさん食べるか」ではありません。
「いかにおいしく味わうか」です。
食が細くなっても、食の質を上げれば、おいしく味わうことは十分可能です。
食が細くなったら、食のネクストステージに進むときです。
食が細くなったおかげで、発想の転換が生まれます。
「量を重視した食」から「質を重視した食」に切り替わり、新たな食の楽しみ方を見いだせます。
食べる量には限界はありますが、食の質には限界がありません。
無限に広がる食の可能性に足を踏み入れるときがやってきました。
経済力は必要になりますが、大人になって経済力が出てくる時期と重なるのでちょうどよいあんばいになるでしょう。
食事の量は少なくても、良質の素材を使ったものや素晴らしい美食を堪能すれば、十分満足できるはずです。
むしろ食が細くなったおかげで、本当の食の楽しみに気づけます。
高級レストランのフルコースディナーは、一皿の量は少なくても質は高い。
若いころにはわからなかった価値観を、ようやく理解できるようになるでしょう。
食が細くなったことにがっかりする必要はありません。
食が細くなっても、まだまだ食を楽しめます。
食が細くなってからが、食の本質を楽しむ本番です。