人生において、練習ということはありません。
すべてが本番であり、二度とない経験ばかりです。
毎日見る花でも、時が変われば同じように見ることは二度とありません。
毎日見る風景も、時が変われば同じように見えることは二度とありません。
人との出会いも、そのときに話すこと、感じること、聞くこと、感動することなど、まったく同じことは二度とありません。
その瞬間の出来事は、その瞬間かぎりのことなのです。
世界一の限定品です。
そうした意味で、人生は常に本番ばかりで成り立っていると言えます。
「こんな機会は二度とない」
「これが、最初で最後だ」
「同じ経験は、後にも先にも、これっきり」
そう実感できると、一生懸命にならざるを得ません。
自然と元気が出て、この瞬間の楽しみは、今のうちに精いっぱい味わっておこうと思います。
今あなたがこれを読んで感じているフィーリングでさえ、今この瞬間が最初で最後のフィーリングです。
次にこの文章を読めば、もうすでに受ける印象は違ってくるのです。
同じ文章でも、時を変えれば受ける印象が変わってくるというのは、本当に不思議な話です。
人間は本来怠け者で、つい予定を後回しにしてしまいがちです。
「まあ、いいか。また今度しよう」
そう思ったことはたいてい、いつになってもしないものです。
それはそのときのやる気や元気も「そのときかぎり」だからです。
後からになってもう一度あのときと同じ状態でと思っても、もう不可能なことなのです。
たいてい「後からやろう」と思ったことは、いつまで経ってもやらないことになるのです。
その瞬間にやるべきことは、その瞬間にやるべきです。
その瞬間に素直に楽しいと思ったら、その瞬間に存分にその気持ちを味わいきることです。
その瞬間につらい思いをしたら、後からバネにできるようにその瞬間に存分に味わいきることです。
今この瞬間を常に「二度と来ることのない出来事」と捉えている人は、人生を常に一生懸命に元気になっている人なのです。