「えー」
「あの~」
「えっと」
つなぎの言葉が口癖になっている人がいます。
たまに使うくらいならさほど気になりませんが、頻繁に言っていると、話に締まりがなくなり、くどい印象を与えます。
相手をいらいらさせてしまうことも少なくありません。
なぜこうした口癖が出てしまうのかというと、沈黙を恐れているからです。
沈黙を恐れていると、会話が途切れないよう、常に何かを話し続けなければいけなくなります。
とりあえず適当に声を出しておけば、沈黙を避けることができます。
言葉が途切れて沈黙になりそうなとき、つなぎの言葉を発して、沈黙を補ってしまうのです。
しかし、つなぎの言葉とはいえ、意味があるわけではありません。
単なる雑音です。
つなぎの言葉が多くなればなるほど、雑音が目立ってしまい、相手をいらいらさせてしまいます。
相手を不快にさせてしまい、スマートな印象を妨げます。
口癖を直すなら、沈黙を恐れないことが大切です。
「沈黙があると不自然になる」と思い込んでいるだけではないでしょうか。
沈黙を入れると不自然になると思うなら誤解です。
ゆっくり話せば、途中で数秒間の沈黙があっても不自然にはなりません。
沈黙があっても、考えている様子やリラックスしている様子など、静かに会話を楽しんでいる様子に映ります。
たとえば、次のような会話を聞いてみてください。
「休日の日は、どう過ごされているのですか」
「そうですね……スポーツジムに行くことが多いですね……」
「健康的ですね。走ったり泳いだりされているのですか」
「泳ぐことはないかな……だいたい筋トレとランニングが中心ですね……運動の後はサウナにも入っていますよ……」
「私は運動が苦手なので尊敬します」
「意外ですね……運動すると気持ちいいですよ……もしよかったら、今度一緒に走りませんか」
話の途中で沈黙があっても、まったく不自然ではありませんね。
穏やかで落ち着いた会話を楽しめるでしょう。
丁寧に会話していることが伝わって好印象です。
会話の進み方は遅くても、一言一言に重みができるので、印象的になります。
沈黙を恐れないでください。
たとえ会話が途切れても、気にしなければいいことです。
別に悪いことをしているわけではありません。
会話が途切れたときは、むしろ沈黙を楽しむ余裕を持ちたい。
沈黙を楽しめるようになれば、口癖が直るのも早くなります。