こつこつ借金を返していった結果、返済完了の日がやってきます。
「借金をすべて返済できた」
「自分は借金癖が直った」
「節約意識も金銭感覚も身についた」
借金をすべて返済できれば、大きな目標を達成できた気持ちになるでしょう。
あたかも完全に借金癖が直ったかのような気持ちになるでしょう。
節約の方法もわかりました。
自分の金銭感覚に自信がつきました。
借金の額が大きいと、返済できたときの喜びもひとしおです。
自分に自信がつき、もう借金に悩まなくて済みます。
堂々と胸を張って「借金は1円もない」と言い張れます。
自分が大きく成長できたことを実感できるはずです。
借金をすべて返済できたとき、大きな喜びと満足感を得るのではないでしょうか。
しかし、本当に借金癖が直ったかというと「まだ疑わしい」と言えるでしょう。
油断は禁物です。
借金をすべて返済できた直後が危ない。
借金をすべて返済できたとはいえ、本来は、無借金は普通です。
今まではマイナスでした。
ようやくゼロになり、これからプラスを積み上げていけます。
借金をすべて返済できたことは立派な結果ですが「ようやくスタートラインに立った」と考えたほうがいいでしょう。
借金癖は、油断すると、元に戻ります。
借金癖は直ったように思えても、頭の奥では以前の癖や記憶が眠っています。
うっかり油断すると、過去の強烈な体験が脳裏によみがえります。
完全にギャンブルをやめたと思っても、実際はわかりません。
ギャンブルの快感や興奮を忘れていても、何かの拍子でストレスが爆発すると、再びギャンブルにのめり込むかもしれません。
借金癖は、夏風邪のようなもの。
調子がよくなったり悪くなったりして、不安定な状態が長く続きます。
「そろそろ大丈夫かな」と思って油断すると、ぶり返します。
油断と自信過剰は失敗のもと。
自分を信じることも大切ですが、借金癖に悩んだ過去があるからには、慎重になっておく必要があります。
「借金癖が直った」と過信するより「直ったように感じるだけ」と謙虚になっておくほうが賢明です。
もし家族に任せていたお金の管理を自分で行いたいなら、段階を経るのがいいでしょう。
まず家族と話し合い、了承を得ることが必要です。
急に管理権限を変更するより、少しずつ段階を経ながら管理体制を変えていくのが適切です。
節約意識と金銭感覚の向上は、中断せず、継続していきましょう。
借金をすべて返済でき、無借金のまま1年が経過すれば、ひとまず安心です。