人見知りと対人恐怖症。
どちらも人に対して後ろ向きである点は共通ですが、厳密には違います。
人見知りと対人恐怖症の意味を区別せず、混同している人も多いのではないでしょうか。
では、人見知りと対人恐怖症の違いはどこにあるのでしょうか。
大きな特徴の違いは、2つあります。
この2点を意識すると、それぞれの違いを理解しやすくなります。
人見知りは、病気ではなく、性格の一種です。
初対面の人に対して警戒心や恐怖心はあるものの、一時的です。
初対面の人に対して、最初は無口だったり素っ気なかったりしますが、相手を知るにつれて自然と解決するのが一般的です。
相手と仲良くなれば、普通に話をしたり笑ったりできます。
対人恐怖症は「恐怖症」という言葉があるとおり、人に対する強い恐怖心が特徴です。
初対面の人に対して警戒心や恐怖心を持ちますが、その感情は仲良くなってからも続きます。
相手と仲良くなってからも、相手と会うのを怖がったり、自分がどう思われているのか気にしたりします。
また相手と一緒にいるときだけでなく、1人のときでも、勝手に妄想を膨らませて恐怖を感じることがあります。
常に恐怖がつきまとうため、頭痛・腹痛・多汗・めまいといった2次的症状を引き起こすことも少なくありません。
対人恐怖症が深刻になると「外出できない」「仕事に行けない」という状況になります。
深刻な対人恐怖症の場合、病気と判断され、治療の対象になります。
もちろん対人恐怖症は、治療が可能な病気です。
時間はかかりますが、薬物療法・行動療法・認知療法によって、少しずつ治療していくことが可能です。
深刻な対人恐怖症の場合、個人で治療するのは困難です。
専門機関を受診して、正しい治療を受ける必要があります。
人見知りと対人恐怖症は、似て非なるものです。
それぞれの違いをシンプルに表現するなら、次のとおりです。
あなたが感じているのは、人見知りでしょうか、対人恐怖症でしょうか。
もし対人恐怖症なら、早めに専門機関を受診することをおすすめします。