「ちょっと待ってください」
こんな言葉を言われたことはありませんか。
ほんの少しだけ待ってほしいときによく使う、便利な言葉です。
しかし、便利であるゆえに、何でも「ちょっと」という言葉でごまかしがちになっています。
「ちょっと」は便利ではありますが、具体性がありません。
「ちょっと待って」というのは、人によって1分のことかもしれませんし、5分のことかもしれません。
もしかしたら30分や1時間と思っている人もいることでしょう。
人によって「ちょっと」という言葉の度合いは、もはや「ちょっと」ではないのです。
私が理髪店で髪を切ってもらっているときのことです。
「こんにちは」と言って、1人のお客さんがやってきました。
たまたまそのときは店内にお客さんが大勢待っていて、すぐ髪を切ってもらえる状態ではありませんでした。
そのときに、お客さんが言いました。
お客さん「あとどのくらいで切ってもらえる?」。
理容師「あとちょっとだけ待ってもらえれば……」。
お客さん「あとちょっとって、どのくらい?」。
理容師「そうだなあ、30分くらいかな」。
お客さん「じゃあ、30分後くらいにまた来ますね」。
そう言ってお客さんは一度理髪店を出ていき、また30分後にやってきました。
こうすることで、理容師もお客さんに必要以上に迷惑をかけることもなく、お客さんも自分の時間を有効に使うことができました。
このやりとりを聞いて「『ちょっと』という言い方はやめよう。具体的な時間を言ったほうがお互いのためになる」と痛感しました。
私も今まで「ちょっと」という適当な答えでごまかし、相手に迷惑をかけていたなと反省してしまいました。
時間を大切にしている人は「ちょっと」という言い方はしません。
必ず、具体的に「~分」と言います。
言葉の一言に対しても、その人が時間を大切にしているかどうかがわかるのです。