時間を増やすためには、知恵が必要です。
知恵はどうすれば身につけることができるのでしょうか。
それは、効率の悪いことを経験することから始まります。
効率の悪い経験をすると、必ず悔やむ気持ちが湧き起こります。
「悔しい」「情けない」「もったいない」といったネガティブな感情が吹き上げてくるでしょう。
誰でも苦しい経験は避けたいと思うため「何とかしたい」と考えるようになります。
苦しい経験によるダメージが大きくなるにつれて、何とかしたい気持ちも大きくなります。
その分、頭を働かせることができ「知恵」が出来上がっていくのです。
過去に出来上がってきた知恵たちは、すべて過去の人が体験した効率の悪いこと(痛い経験)から始まっています。
今はライターさえあれば簡単に火をおこせますが、昔の人は、長い時間をかけて火をおこしていました。
燃えやすいものをかき集め、両手で木の棒をぐるぐる回して、木と木をこすり合わせる摩擦熱で火をおこしていました。
時間もかかり、体力も必要です。
火をおこすためだけに、昔の人は効率の悪い作業をしていました。
だからこそ「もっと効率のよい方法はないのだろうか」と人は考え、マッチやオイル式のランプなどが生み出されてきました。
今では小さなライターだけで、火をおこせるようになりました。
私たち人類は知恵を振り絞り、簡単に火をおこせるようになったために時間と体力を消費せずにすんでいます。
いわゆる、以前より「上手で賢い方法」で火をつけることができているのです。
昔の人たちから見ると、羨ましい光景でしょう。
しかし、そんな効率よく火をおこすための原動力は、昔の人たちが体験した「効率の悪いこと」です。
効率の悪いことをして、大変でつらく悔しく情けない気持ちをバネにして「効率のよい方法」を生み出しました。
おかげで今、私たちは火をおこす時間を節約することができています。
火をつけるという行為だけでも、どのような方法でやるのかを考えると、時間的にも体力的にも、天と地の差が出てくるのです。
今ある状況の中で時間がもっとほしければ、まず自分が今やっている作業の中で、効率の悪い失敗を経験することです。
歯がゆい失敗を経験し、同じことを繰り返さないために頭を使います。
そこであなたが編み出した方法こそ、知恵です。
時間を作り出すための強力な武器になります。