力強いエピソードでも、印象が悪くなる内容なら、控えたほうが賢明です。
場合によっては、好印象の評価が帳消しになる可能性があるからです。
たとえば、次のような志望動機のエピソードがあるとします。
「この業界に応募する際、親と強く対立しました。最終的に親の反対を強引に押し切って、この業界を志望しました」
反対を押し切るほど、強く志望している様子が伝わります。
意志の強さや行動力などもアピールできるでしょう。
しかし、どこか引っかかるものがあるのではないでしょうか。
「親の反対を強引に押し切った」という部分です。
親の同意を得ずして志望する様子が伝わると、採用担当者は不安を抱きます。
「入社後、今度は、上司の反対を強引に押し切るのではないか」という悪い連想を浮かべるでしょう。
いくら力強いエピソードでも、印象の悪いエピソードを出したばかりに、好印象が帳消しになるのです。
印象の悪いエピソードがあるなら、表現の仕方を工夫してはいかがでしょうか。
「親の反対もありましたが、話し合いをした上、この業界を志望しました」
「親の反対もありましたが、どうしても業界しか考えられず、志望しました」
事実は同じでも、別の表現に変えれば、ずいぶん印象が変わります。
すべてを正直に話せばいいわけではありません。
自分に不利になるエピソードなら、時には嘘にならない範囲で、正直に答えることが必要です。
また、前後の文脈が許せば「あえてそこには触れない」という手段も有効です。