昔と現在では、かなり風景が変わりました。
林や森の木は切り倒され、土地は開拓され、山の風景は変わりました。
コンクリートの道ができ、ビルが立ち並びました。
さらに、人工の池や湖ができることもあれば、人工的に川や海を埋め立てられることもあります。
同じ地球上とはいえ、現在と今とでは、もはや別々の世界のようですね。
この数千年間、地球上の風景は、すっかり変わりました。
しかし、1つだけ昔と今とで変わらない風景があります。
夜空です。
夜空の星だけは、大昔とほぼ同じ状態です。
星の寿命は大変長いため、一部の例外は除き、急に消えたり移動したりすることはありません。
星の明るさや大きさも変わりません。
今、あなたの頭の上にある夜空だけは、この数千年間、まったく変わらない風景なのです。
そう考えながら、夜空を見上げてみてください。
私たちは、大昔の人たちと会話することはできません。
しかし、夜空を見ることで、大昔の人と同じ気持ちになれます。
星を見て「美しいな」という感動は、数千年前の人たちも「美しい」と感動していたはずです。
一つ一つの星だけでなく、星座にも注目しましょう。
「ユニークな形をしているな」と思えば、数千年前の人たちも「ユニークな形だな」と思っていたはずです。
特に見どころは、大三角形です。
ベガ、アルタイル、デネブの夏の大三角形。
シリウス、ベテルギウス、プロキオンの冬の大三角形。
この三角形は、数百万年の間、同じ形です。
「大きな三角形だな」と思えば、数千年前の人たちも「大きな三角形だな」と思っていたはずです。
夜空を通して、数千年前の人たちと感動を共有できるのです。
夜空そのものが、素晴らしい芸術です。
美術館に行くより、夜空を見上げるほうが大切ではないでしょうか。
今日は、夜空を見ながら、夜を楽しみましょう。