電車に乗るときは、駅で切符を買います。
機械にお金を入れ、行きたい場所のボタンを押し、出てきた切符を取るだけです。
ごく平凡な一瞬ですが、実は、人によっては貴重な行為です。
たとえば、国王や天皇です。
国王や天皇は、自分で駅の切符を買うことはありません。
安全面の理由から、本人が直接購入することはなく、代理人が購入することになっています。
国王や天皇だから、何でも許されるわけではありません。
むしろ国王や天皇だから、安全上の理由で、許されない行為がたくさんあります。
昭和天皇がイギリスに留学した際、初めてご自分で購入された切符を宝物にされていた、というエピソードがあります。
一般庶民には普通の行為も、立場が異なれば、貴重な行為になるということです。
一般庶民が当たり前に楽しんでいる日常は、実は貴重な行為だと気づかされます。
それを思いながら、駅の切符を買うと、いつもとは違った印象になるでしょう。
平凡な日常風景ですが、自由にできない立場の人もいるということです。