「子どもが生きがいです」
親御さんの中には、子どもを生きがいとする声を、よく耳にします。
やはり大事なわが子ですから、なにより第一に考えることでしょう。
生きがいになって当然ですね。
たしかに子どもは生きがいの1つですが、ここに1つ、落とし穴があります。
子どもを生きがいにしても、子どもだけを生きがいにするのは危険なのです。
空の巣症候群になりやすいからです。
「空の巣症候群」という言葉をご存じですか。
夫は仕事が忙しくて不在がちである上、子どもたちは進学や就職や結婚などで巣立ちます。
家に一人だけが残された妻が、空虚感や不安感に襲われ、心や体に不調を訴えるという症状です。
一般的に中高年の女性に多い症状ですが、男性でも起こりうる症状です。
子どもだけを生きがいにしているときほど、巣立ったときの心の穴は、深くて大きくなります。
大切なことは、子ども以外の生きがいを持つことです。
趣味を持ったり、スポーツを楽しんだりなどです。
子どもが巣立ってから考えるのではなく、子どもが巣立つ前から考えておくことが大切です。
子どもはいつか、巣立ちます。
子どもが巣立つとき「私のことは気にしないで、行ってらっしゃい」と、笑って言える親でありたいものです。
子どももまた、安心して巣立っていけるのです。