大人になるにつれて、見なくなるものがあります。
へそです。
おなかの真ん中にある、小さなへこみです。
子どものころは、不思議に思ってよく見ていたものですが、大人になるにつれて見なくなります。
いま一度、へそをよく見てみましょう。
生まれたときからあるため、当たり前のように思いますが、大事な部分です。
へそは、へその緒を切った傷痕です。
お母さんと自分とは、別々の人間であるように思えます。
しかし、もともとお母さんと自分とは1つだったのです。
まだお母さんのおなかにいたころ、へその緒を通して、物理的につながっていました。
へその緒を通して、お母さんから栄養や酸素をもらっていました。
一般的に妊娠をして、およそ10カ月で出産します。
10カ月は、長い月日です。
妊娠中は、元気な赤ちゃんが生まれてくるよう、激しい運動は避け、できるだけ栄養のあるものを食べました。
お母さんの「大きくなってほしい。生まれてきてほしい」という願いや思いがあったからこそです。
おかげで、生まれてくることができたのです。
へそは、お母さんから大事にされていた証拠です。
単なる、へその緒を切った跡ではありません。
お母さんから「大きくなってほしい。生まれてきてほしい」という願いや思いが込められた、跡でもあります。
大切です。
愛されてきた証拠です。
自分が生まれてきた原点なのです。