試合前、相手の目を見ます。
これはマナーです。
特に、柔道やボクシングなどでは、試合前に対面して、相手の目を見る状態になります。
相手の国籍が何であろうと、目を見れば、コミュニケーションできます。
「よろしくお願いします」というメッセージを伝えられます。
しかし、この目の合わせ方で、よくないしぐさが見受けられます。
スポーツは、人があって、実現します。
まったく相手の目を見ないのは、スポーツマンにふさわしい態度ではありません。
最低限のスポーツのマナーとして、相手の目はきちんと見ることが大切です。
目を見ることは、マナーの面だけでなく、作戦の面においても大切な意味があります。
相手の目を見ると、顔色や表情などから、相手のコンディションや心理状態などがわかります。
試合で有利になるであろう何らかの情報を、得られる可能性があるのです。
人が視線を外すのは、不都合な状態があるときです。
弱気のとき、不安があるとき、怖いときなどです。
視線を外してしまうと、相手選手は「弱そうだ。これは勝てそうだ」と思います。
精神的な優位を与えてしまい、勢いづかせてしまいます。
やってしまいやすいのが、にらむことです。
にらむことで相手を弱気にさせ、自分の立場を有利にできるだろうと思いますが、実際は違います。
むしろ逆効果になりやすくなります。
にらむのは、半分、自制心を失っている状態です。
「絶対に勝ってやる」という闘争心が強いのはいいのですが、闘争心が強すぎると、逆に冷静さが失われます。
試合において、冷静さを失えば、不利になります。
試合を客観的に見ることができなくなります。
冷静になった相手に、弱点をうまく突かれて、あっさり負けてしまうのです。