私は、豚カツが大好きです。
昔から好きだったわけではありません。
幼少期は何も思わなかったのですが、あるきっかけで好きになりました。
遡ること、20歳の学生時代になります。
当時、洋平という仲のいい友人がいました。
授業が終わった休み時間に、いつものようにたわいない会話をしていました。
会話の途中、洋平が好物の話を始めました。
「俺は豚カツが、めちゃめちゃ大好きだ」
「豚カツのためなら、どこへでも行く」
「豚カツがないと生きていけない」
どうやら豚カツが大好物のようです。
かなり強い主張をしてきます。
最初は「へえ、そうなんだ」という軽い気持ちで聞いていました。
しかし、洋平は熱く語ります。
洋平の目が輝き始めるのが私にもわかりました。
自分の好物なので、自然と熱く語ってしまうのでしょう。
しばらくすると、その熱意が私にも伝わってきました。
洋平の豚カツの話を聞いているうちに、私も食べたくなってきました。
学校の授業が終わってちょうど昼時でした。
「よし。じゃあ今から豚カツを食べに行こう」
洋平の話がきっかけで、学校帰り、地下鉄に乗って豚カツ屋に直行したことがあります。
そこでも不思議な体験をします。
洋平から、豚カツの魅力を聞かされていたので、いつも以上に豚カツがおいしく感じたのです。
映画は、いきなり見るより、あらすじを押さえてから見るほうが、より楽しめます。
同じように、豚カツの魅力を洋平からの話で聞かされていたので、いつもよりおいしく感じたのです。
その瞬間、私も豚カツが好物になりました。
私の人生に、洋平がいなければ、いまだに豚カツに対して、特別な意識はなかったはずです。
私の好きが1つ増えることで、人生に新しい豊かさができました。
自分の好きなことを話すと、誰かの人生を変えるかもしれない。
何気なく口にした自分の好きな話が、他人の人生に豊かさを与えることがあるのです。
私もHAPPY LIFESTYLEで「書くことが好きだ。書くのは面白い」と言って魅力について話をしています。
すると、読者から「影響を受けて、書くようになったらコンクールに受賞した」という連絡を受けたこともあります。
私の影響が誰かに伝わると、嬉しくなります。
好きなことを話した結果、他人の言動を触発させることがあります。
それは、あなたが好きなことにも当てはまるのです。