和食では、口に食べ物が入っている状態で、ほかの料理を見つめるのはよくありません。
無意識のうちに、自然としてしまっている人も多いのではないでしょうか。
これは「にらみ食い」と呼ばれるタブーです。
見るくらいいいだろうと思います。
しかし、よくないのです。
なぜ、にらみ食いがマナー違反になるのかというと、食事の味に集中できなくなるからです。
同じ種類の料理を見つめるのはいいのです。
「見ているもの」と「味わっているもの」が同じだからです。
味覚と視覚が一致しています。
しかし、種類が異なる料理を見るのはよくありません。
味わっているものと見ているものとが別であり、視覚と味覚の不一致が起こっています。
それは口にしているものも、見ているものも、どちらにも集中ができていないということです。
また、他の料理を物色しているようなしぐさにも見え、卑しく見えてしまいやすいのです。
食べているときには、口の中の食事に集中することです。
では、どうするのか。
食べているときには、食べている料理を見つめて味わうことに集中するのです。
味で楽しみ、目で楽しむことで、より、味わいが深く感じられるようになります。